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2015.12.16

鳥取県鳥取市空き家等対策基本方針

鳥取市空き家等対策基本方針

第1 本方針の背景

近年、本市においても増加傾向にある空き家等※1の中には、管理されず放置され老朽化したものが少なくない。これらの老朽化した空き家等をこのままの状態で放置すると、ますます荒廃し、屋根の飛散や外壁の崩壊により近隣住民や通行人に危害を及ぼすおそれがある。また、不審者の侵入等による放火や犯罪の誘発も懸念される。このように老朽化した空き家等は、市民の暮らしの安全・安心を阻害しかねないものであり、まちの活気そのものさえ奪いかねない。
本市における空き家等の総軒数は平成 24 年度現在 1941 軒あり、このうち管理不全な状態※2の空き家等が 290 軒ある。また、核家族化、少子高齢化が進む昨今、今後さらに空き家等や管理不全な状態の空き家等が増加すると予想され
る。
鳥取市空き家対策本部においては、本市における空き家等の問題及び現状を踏まえ、空き家等をまちづくりの有効資源ととらえ多様な支援をおこなうことで、空き家等による災害を未然に防止するとともに、市街地や中山間地域の活性化及び良好な景観及び生活環境の創生を目的とし本方針を策定する。
※1 空き家等 市内に所在する建物その他の工作物(既に倒壊したものを含む。)で常時無人の状態にあるもの及びその敷地をいう。
※2 管理不全な状態 空き家等が、老朽化により台風等の自然災害で倒壊するおそれがある状態、建築材等の飛散のおそれがある状態、不特定者の侵入による火災若しくは犯罪が誘発されるおそれのある状態又は衛生上有害であると認められる状態をいう。

第2 空き家等対策の現状と課題

1.空き家等対策の現状

管理不全な状態の空き家等は、第一義的には空き家等を所有する者、管理する者又は占有する者(以下「所有者等」という。)が解決すべきものである。なお、所有者等が空き家等の解決に応じない場合には、隣接者等からの民法に基づく請求及び行政からの指導等により解決が図られるが、未解決物件が年々増えてきている状況でもある。

(1)民事による解決方法の法令根拠
民事による解決については、民法第 199 条の規定により建物所有者等に危害予防の措置をとるよう裁判所に求めること、同法第 697 条から第702 条までの規定により空き家等の管理を行い、その費用を請求すること等が考えられるが、隣地地主等の利害当事者に相当の費用、時間及び労力を必要とし、解決が困難な状況にあると思われる。
(2)行政による指導等対応内容
行政による解決については、主に以下の関係法令規定があり、指導等を行うことが考えられる。
① 建築基準法第 8 条(建築物の維持保全)
② 道路法第 46 条(通行の禁止又は制限)
③ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第 5 条(清潔の保持)
④ 鳥取市安全で安心なまちづくり推進条例第 7 条(土地所有者等の責務)
⑤ 鳥取県東部広域行政管理組合火災予防条例第 24 条第 1 項、第 2 項

(空き地及び空き家等の管理)

2.空き家等の要因と課題

管理不全な状態の空き家等の未解決要因としては、以下の場合が考えられる。
(1)個人(所有者等)的要因
① 建物所有者等の所在が不明。
② 相続問題が発生し、相続人(管理者)が不確定。
③ 土地建物の債権者が、除却を拒む。
④ 管理不全な状態である空き家等としての認識が無い。
⑤ 管理不全な状態である空き家等を財産として主張し、除却に応じない。
⑥ 経済的資力が無く、除却又は改善の費用が払えない。
(2)行政的要因

① 既存の法令による対処では、問題が発生してからの対応となることが多く、急増する空き家等に対して総合的な施策を講じるためには十分な制度とは言い難い。
② 管理不全な状態の空き家等に関する指導や通知等に無関心な所有者等に対する処置の法令根拠が不十分であるため、行政からの命令措置が行い難い。

(3)空き家等の対策課題
空き家等に特化した行政独自の施策を設け、管理不全な状態の空き家等を解決する意思が無い所有者等に、強い行政指導を行えるようにする必要がある。また、管理不全な状態の空き家等を解決する意思はあるが、これに必要な資力が不足している所有者等には、財政支援等を検討する必要がある。所有者等が不在又は不確定の場合には、管理不全な状態の空き家等に何らかの緊急対応が必要となる。

第3 現存する空き家等への対応

空き家等の課題解決のため、以下の対応を検討する。

1.市内に所在する空き家等のうち、次のすべてに該当するものを対象とし、検討する。

(1)次のいずれかに該当するもの。

① 倒壊又はそのおそれのある状態。
② 著しく保安上危険又はそのおそれのある状態。
③ 著しく衛生上有害又はそのおそれのある状態。
④ 即時利活用できる状態。
⑤ 支援により利活用できる状態。
⑥ 地域の要望や社会的要請が強い場合。
(2)周辺に及ぼす影響が大きいもの。

2.市は次の対応について検討する。

(1)市民の安全・安心の確保及び生活環境の保全のため、助言、指導、勧告等を可能とする独自施策を検討する。
(2) 民事解決に向けた相談窓口(くらし110番、無料法律相談等)の案内。
(3)寄付及び除却等に関する個別案件について検討する。寄付や除却等に関する施策の導入について、本市の状況等を踏まえ、以下について検討する。
① 住環境・安全性の向上の点から、管理不全な状態の空き家等の除却に関する対応。
② 地域活性化等に活用できる広場及び活動拠点等の確保の観点から、撤去後の空地を広場等の公共利用目的で、地元が管理するため必要な対応。
(4)利用可能な空き家等の利活用を目的とした所有者等や事業者等への支援を検討する。
(5)所有者等の所在が不明又は不確定な場合の緊急対応について検討する。
3.その他の対応として、近隣者と行政だけでは解決できない場合、利害関係を有する地域住民の地域ぐるみによる解決方法や民間等と連携して空き家等の利活用の取組を検討する。

第4 空き家等の発生防止について

1.この施策の施行に関し、市の区域を管轄する消防や警察等の関係機関と連携することにより、管理不全な状態の空き家等の発生の予防を促す。
2.地域住民参加による空き家等の活用等の支援を検討し、まちづくりによる地域活性化によって地域全体に管理不全な状態の空き家等を発生させにくい環境づくりを進める。