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2016.01.04

青森県弘前市空き家等の活用、適正管理等に関する条例

弘前市空き家等の活用、適正管理等に関する条例

平成26年9月29日

 

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、空き家等の増加が、防災、防犯又は生活環境の保全の観点から多くの社会的問題を生じさせ、さらには都市の活力や魅力を低下させることに鑑み、空き家等の活用、適正管理等に関し必要な事項を定めることにより、空き家等に関する対策を総合的に推進し、もって市民の良好な生活環境の確保、地域コミュニティの活性化及びまちづくりの推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 空き家等 空き家又は危険家屋
(2) 空き家 市内に存する建築物で、現に人が居住せず、かつ、現に人が使用していないもの又はこれらと同様の状態にあるもの
(3) 管理不全状態 空き家が次のいずれかの状態にあること。
ア 老朽化又は豪雪若しくは暴風等の災害による倒壊、建築材料の脱落若しくは飛散又は屋根等からの落雪により、人の生命、身体又は財産に対し被害又は障害を及ぼしている、又は及ぼすおそれのある状態
イ 不特定の者が容易に侵入できることにより、防犯上の支障が生じている状態
ウ 外観の汚損、腐食、剥離又は破損により、景観に悪影響を及ぼしている状態
エ 動物の営巣又は病害虫の発生により、生活環境に悪影響を及ぼしている、又は及ぼすおそれのある状態
オ アからエまでに掲げる状態のほか、空き家及びその周辺地域における生活環境に悪影響を及ぼしている状態
(4) 危険家屋 市内に存する建築物で、現に人が居住し、又は現に使用しているもののうち、危険状態にあるもの
(5) 危険状態 老朽化又は豪雪若しくは暴風等の災害による倒壊又は建築材料の脱落若しくは飛散により、人の生命、身体又は財産に対し被害を及ぼしている、又は及ぼすおそれのある状態にあること。
(6) 所有者等 所有者、占有者及び管理者
(7) 管理者 法令又は契約に基づき建築物を管理すべき義務を負う者
(8) 市民等 市民及び市内の建築物の所有者等で市外に在住する者のうち空き家等の所有者等でないもの
(9) 関連団体 市内において不動産業、建設業その他これらに関連する事業を営むもののうち空き家等の所有者等でないもの
(10) 自治組織 自治会、町会その他の地域住民の組織する団体
(11) 市民活動団体 営利を目的とせず、不特定多数の者の利益の増進を目指して活動する団体

(基本理念)

第3条 空き家等に関する対策は、空き家等の発生の防止又は適正な管理、空き家の流通促進及び有効活用等、地域や都市の活力の向上を基本理念として、総合的に推進されなければならない。
2 空き家等に関する対策を推進するに当たっては、市、空き家等の所有者等、市民等、自治組織及び関連団体は、相互の連携を図り、必要に応じて大学又は市民活動団体の協力を得て取り組まなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、空き家等の発生の防止又はその解消に向けた施策を総合的に実施しなければならない。
2 市は、前項の施策を実施するに当たり、空き家等の所有者等、市民等、自治組織、関連団体、大学及び市民活動団体の参加又は協力を促進しなければならない。

(空き家等の所有者等の責務)

第5条 空き家の所有者又は管理者は、基本理念にのっとり、当該空き家を管理不全状態にすることのないよう適正に管理しなければならない。
2 空き家の所有者は、基本理念にのっとり、当該空き家を有効活用するよう努めなければならない。
3 空き家の所有者は、基本理念にのっとり、当該空き家が管理不全状態にある場合には、速やかに当該管理不全状態を解消しなければならない。
4 危険家屋の所有者又は占有者は、基本理念にのっとり、当該危険家屋について、速やかに危険状態を解消し、これを適正に管理しなければならない。

(市民等の責務)

第6条 市民等は、基本理念にのっとり、自らが所有し、又は管理する建築物について、これを空き家等とすることのないよう努めなければならない。
2 市民等は、基本理念にのっとり、管理不全状態にある空き家又は危険家屋があると認めるときは、速やかに、市に対してその存在及び所在地等の情報を提供するよう努めなければならない。
3 市民等は、基本理念にのっとり、空き家等の発生の防止又はその解消に向けた市の施策、空き家等の所有者等の取組に協力するよう努めなければならない。

(関連団体の責務)

第7条 関連団体は、基本理念にのっとり、空き家等の発生の防止若しくはその解消に向けた市の施策又は所有者等若しくは市民等の取組に協力するよう努めなければならない。
2 関連団体は、基本理念にのっとり、自らが所有し、又は管理する建築物について、これを空き家等とすることのないよう努めなければならない。

(自治組織の役割)

第8条 自治組織は、基本理念にのっとり、空き家等を地域におけるまちづくりのための資源として捉え、空き家等の存否及び所有者等に関する情報を把握し、空き家等の所有者等へ空き家等の活用を働きかける等の空き家等に関する対策に協力するものとする。

(大学及び市民活動団体の役割)

第9条 大学及び市民活動団体は、基本理念にのっとり、空き家等に関する対策の推進に協力するものとする。

第2章 空き家等の活用等
第1節 基本方針

(基本方針)

第10条 市は、空き家等の発生の防止又はその解消に向け、次に定める基本方針に基づいて、施策を実施するものとする。
(1) 空き家等に対する意識と理解を深めるため、広報活動及び啓発活動等を行うこと。
(2) 自治組織と連携し、自治組織が地域において行う空き家等に関する取組を支援すること。
(3) 空き家等の所有者等及び市民等が行う空き家等の発生の防止又はその解消に向けた自主的な取組を推進するために必要な支援及び環境整備を行うこと。
(4) 空き家等に関する対策を総合的に実施するために必要な体制を整備すること。
(5) 空き家等の発生の防止又はその解消に向けた自主的な取組がなされず、将来的にも自主的な取組がなされることが期待できない場合には、必要な措置を講じること。

第2節 空き家等の発生の予防

(空き家等の発生の予防)

第11条 建築物の所有者は、当該建築物が、空き家等とならないようにするための予防措置を講じるよう努めなければならない。
2 建築物の占有者は、当該建築物の所有者が前項の予防措置を講じようとする場合には、協力するよう努めなければならない。
3 市は、建築物の所有者が第1項の予防措置を講じることができるよう、情報を提供する、相談に応じる等の必要な支援を行うものとする。

第3節 空き家の活用

(空き家の活用)

第12条 空き家の所有者は、自らがその空き家に居住せず、又は使用しない場合には、第三者への賃貸又は売却等の方法により、有効に活用するよう努めなければならない。
2 関連団体は、空き家の所有者が前項に規定する活用を行う場合には、その取組に協力するよう努めなければならない。
3 市及び市民等は、空き家の所有者又は管理者及び関連団体と連携し、第1項に規定する活用に取り組むものとする。
4 市は、空き家の有効活用を円滑にするため、建築物の保全、活用及び流通の促進のために必要な環境の整備を行うものとする。
5 市は、まちの活性化を目的とする空き家の活用に関して必要な支援を行うものとする。

第4節 空き家等の適正管理

(助言又は指導)

第13条 市長は、空き家が現に管理不全状態であり、又は管理不全状態になるおそれがあると認める場合には、空き家の所有者又は管理者に対し、管理不全状態を解消し、又は防止するための必要な措置について、助言又は指導を行うことができる。
2 市長は、危険家屋の所有者又は占有者に対し、危険状態を解消するための必要な措置について、助言又は指導を行うことができる。

(勧告)

第14条 市長は、前条の助言又は指導を行ったにもかかわらず、なおその管理不全状態又は危険状態が解消されないときは、空き家等の所有者又は占有者に対し、相当の猶予期限を定めて当該状態を解消するための必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(措置命令)

第15条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由がなく必要な措置を講じなかった場合には、相当の猶予期限を定めて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
2 市長は、空き家が現に管理不全状態にあると認める場合であって、第23条第6項の調査を行ったにもかかわらず、所有者又は管理者の住所又は居所(法人にあっては、代表者の住所又は居所及び主たる事務所の所在地。以下同じ。)を確知することができないときは、第13条第1項の助言若しくは指導又は前条の規定による勧告を経ることなく、前項の規定による命令を行うことができる。

(公表)

第16条 市長は、前条第1項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなくその命令に従わなかった場合には、次に掲げる事項を公表することができる。前条第2項に基づき同条第1項の規定による命令を市が行った場合に、命令を受けた者がその命令に従わなかった場合についても、同様とする。
(1) 命令を受けた者の氏名及び住所
(2) 空き家等の所在地及び種別
(3) 命令の内容
(4) 命令に従わなかった事実
(5) その他市長が必要と認める事項
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、空き家等の所有者又は占有者に対し、あらかじめその理由を書面により通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、第23条第6項の調査を行ったにもかかわらず、当該公表の対象となる所有者の住所及び居所を確知できないときは、この限りでない。

(代執行)

第17条 市長は、第15条第1項の規定による命令を受けた者(同条第2項の規定に基づき同条第1項の規定による命令を行った場合を含む。)が、期限内にその命令に従わない場合において、他の手段によってはその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより代執行を行うことができる。

(安全措置)

第18条 市長は、空き家が現に管理不全状態にあると認める場合には、空き家の所有者又は管理者の同意を得て、管理不全状態の悪化を防止するために必要な措置をとることができる。
2 市長は、危険家屋の所有者又は占有者の同意を得て、危険状態の悪化を防止するために必要な措置をとることができる。
3 市長は、空き家が現に管理不全状態にあると認める場合に、第23条第6項の調査を行ったにもかかわらず、空き家の所有者又は管理者の氏名又は住所若しくは居所を確知できず、所有者又は管理者の同意を得ることができないときは、管理不全状態の悪化を防止するために必要な最低限度の措置をとることができる。
4 市長は、前項の措置をとった場合には、速やかに公告しなければならない。
5 市長は、第1項又は第3項の措置をとった場合には、空き家の所有者に対し、当該措置に要した費用を請求することができる。
6 市長は、第2項の措置をとった場合には、危険家屋の所有者又は占有者に対し、当該措置に要した費用を請求することができる。

(緊急安全措置)

第19条 市長は、現に空き家の管理不全状態が著しい状態に達していることにより、その周辺地域に対する危害又は悪影響を防止するため緊急の必要があると認める場合は、当該空き家の所有者又は管理者の同意を得ることなく、直ちに、その危害又は悪影響を防止するために必要な最低限度の措置をとることができる。
2 市長は、前項の措置をとった場合には、速やかに空き家の所有者又は管理者に通知(第23条第6項の調査を行ったにもかかわらず、空き家の所有者又は管理者の住所又は居所を確知することができない場合にあっては、公告)をしなければならない。
3 市長は、第1項に定める措置をとった場合には、空き家の所有者に対し、当該措置に要した費用を請求することができる。

(財産管理人の選任)

第20条 市長は、第18条第3項又は前条第1項の措置をとった場合に、空き家の所有者の住所又は居所が明らかでないときは、家庭裁判所に対し、不在者の財産管理人の選任を申し立てることができる。
2 市長は、第18条第3項又は前条第1項の措置をとった場合に、空き家の所有名義人の相続人の存否が明らかでないときは、家庭裁判所に対し、空き家の所有名義人を被相続人とする相続財産管理人の選任を申し立てることができる。

(関係機関等との連携)

第21条 市長は、必要があると認めるときは、市の区域を管轄する消防、警察その他の関係機関に対し、必要な協力を要請することができる。

第5節 跡地の活用

(空き家等の跡地の活用)

第22条 土地の所有者は、当該土地上の空き家等が除却された場合には、その跡地を有効に活用するよう努めなければならない。
2 関連団体は、土地の所有者が前項に定める跡地の活用を行う場合には、その取組に協力するよう努めなければならない。
3 市及び市民は、土地の所有者及び関連団体と連携し、第1項に定める跡地の活用に取り組むものとする。
4 市は、まちの活性化又は環境の向上を目的とする第1項に定める跡地の活用に関して必要な支援を行うものとする。

第3章 雑則

(空き家等の調査等)

第23条 市長は、この条例の施行に関して必要な範囲において、空き家等の所有者等に対し、空き家等の使用状況若しくは管理状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
2 市長は、この条例の施行に関して必要な範囲において、空き家等の所有者等の承諾を得て、市長があらかじめ指定する職員等を空き家等に立ち入らせ、状況を調査させ、又は空き家等の所有者等に対して質問させることができる。
3 前項の規定により職員等が空き家等に立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第1項又は第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 職員等は、第2項の規定により空き家等に立ち入って調査又は質問を行った場合に知り得た関係者の秘密を他に漏らしてはならない。
6 市長は、第1項又は第2項に定める調査を行うにあたり、必要な範囲において、空き家等の所有者等の氏名及び住所又は居所を確知するための調査を行うことができる。

(空き家の存する土地の緊急立入調査)

第24条 市長は、管理不全状態の空き家であるおそれがあると認める場合において、前条第6項の調査を行ったにもかかわらず、空き家の所有者又は管理者の氏名又は住所若しくは居所を確知することができなかったときは、管理不全状態の程度を調査するため、必要な範囲において、空き家の所有者又は管理者の承諾を得ることなく、職員等を当該土地に立ち入らせ、その状況を調査させることができる。
2 前項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
3 市長は、第1項の規定による立入調査を行った後に、空き家の存する土地の所有者又は管理者に対して、立入調査を行った旨及びその状況を書面で通知しなければならない。

(土地所有者の調査等)

第25条 市長は、空き家等が存在すると認める場合には、この条例の施行に関して必要な範囲において、空き家等の存する土地の所有者の氏名及び住所を確知するための調査を行うことができる。

(委任)

第26条 この条例の施行に関して必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成26年12月1日から施行する。