
2015.12.27
空き店舗をリノベーションして、若手陶芸家のためのギャラリー&アトリエ&シェアハウスを【静岡県熱海市】
11人の家族が暮らし、割り箸屋として営業をしていた静岡県熱海市の吉野屋商会。建物のオーナーである茶田さんの家族の他にも、大勢の人が集まる家でした。それが2013年、ご両親が亡くなり、家族も吉野屋商会から姿を消すことになります。ここにまた、ひとつの「空き家」が生まれてしまったわけです。
アーティストレジデンス・CHAUSE
ですが、リノベーションスクールの案件としてこの吉野屋商会が指定され、再び日の目を見るチャンスが訪れました。リノベーションされた吉野屋商会の新しい姿は…陶芸家のギャラリーを併設したシェアハウス! こちらは若手陶芸家のための住宅とイベントスペースを備えた建物(母屋)と、アトリエ(倉庫)の二つで構成された、「住むだけじゃない、つくって売れる、手仕事のための家」です。その名も、CHAUSE。
CHAUSE は、「大切を紡ぐ家」をコンセプトに、作家の顔が見えるうつわを使うことで、モノを大切にしてもらう心を養ってもらったり、うつわに合わせて新しい料理にチャレンジしてもらったり…そんな場所を目指しています。吉野屋商会は、若い陶芸家の活動拠点として、生まれ変わったのです。
知ってもらい、販売する機会も提供
ですが、ただの「つくって住む場所」ではありません。イベントやワークショップを開催して、一般の人に「知ってもらい」「売る」機会も作っています。ここがCHAUSEのすごいところ。作る場所、住む家だけではなく、売る機会と告知の機会もCHAUSEで行えるんです! まさに、若手陶芸家にとって至れり尽くせりの居住空間&仕事場です。
陶芸や絵画の芸術は、なくなって欲しくないものですよね。でも、その存続は結局のところ、「購入」という一般的なビジネスで成り立っています。CHAUSE のように、始まりから終わりまで陶芸家をサポートしてくれるのは、新しく陶芸をやろう! という人にとっても支えになるもの。次世代の陶芸家を生み出すきっかけづくりにもつながりますね。
空き家や空き店舗の対策として、こうした芸術家をサポートする場としてリノベーションしていくことは、芸術を楽しむ人にとってもプラスになります。WinーWinーWinの関係ですね。