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尾道の「空き家」はなぜ若者をひきつけるのか

2016.01.19

若者が尾道に移住するワケ【広島県尾道市】

2015年春に、「日本遺産」の最初の認定地となった広島県尾道市。瀬戸内海に神社や仏閣、細い路地が張り巡らされ、古い民家が並び立つ街並みは、尾道ならではの独特な風景を造り出しています。

その尾道にも、空き家問題は蔓延っています。今回は、「小さな組織の未来学」に掲載されている尾道の空き家問題の記事を参考に、主観を交えてまとめさせて頂きました。

尾道の「空き家」はなぜ若者をひきつけるのか

尾道の「空き家」はなぜ若者をひきつけるのか

尾道に空き家が増えたワケ

尾道の素晴らしい景観を造形している要素のひとつでもある木造建築の民家は、補修や改修工事がされているものはほとんどありません。その理由に、山手地区は平地に比べて補修・改修の工事費が3倍近くも高い値段であることが挙げられます。

また、趣のある細い路地もネックになっています。バイクすら入れない細い路地に面した民家の多くは、接道義務を満たしていません。このため、民家の建て替えもできない状況です。

これらの問題に、住民の高齢化と人口減少が加わり、空き家が増加しました。山手地区に建つ民家約1200戸のうち、300戸以上が空き家になっています。

若者が尾道に移住するワケ

その一方で、尾道へ移住する若者が増えているという現状もあります。古民家をリノベーションし、小さなパン工場やアトリエ、カフェなどとして再活用し、尾道に居を構える若者が増えているのです。なぜ、若者は尾道を選ぶのでしょうか? そのワケは、皮肉にも尾道の抱える問題にありました。

【尾道を選んだワケ(1)暮らしやすさ】
高齢化が進んでいるということは、若者の数が少ないということ。つまり、若者が貴重な存在になるワケですね。だから、住民も好意的に接してくれます。これは、尾道の港町的な気質もあるのかもしれません。住民である高齢者と移住者の若者たちが、手を取り合って生活していくという、理想的なライフスタイルが尾道に確立され、暮らしやすさにつながっています。

【尾道を選んだワケ(2)空き家が多い】
増えた空き家を再利用することは、様々な面でメリットを生み出します。家賃が安いこと、新築するよりも安いこと、あるものをリサイクルすることで家具を購入する費用も抑えられます。その上、自分たちの手で空間や場所を創り出せる楽しさも味わえてしまいます。そのような物件が、尾道にはゴロゴロと転がっているのです。

【尾道を選んだワケ(3)サポート体制がしっかりしている】
いくら移住する条件が整っているからといって、見知らぬ土地で生活するのは不安ですよね。その不安をサポートしているのが、「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」です。そのメンバーは、既に200人を超えていて、移住者は大抵このネットワークのサポートを受けています。このようなサポート体制も、空き家対策につながっているようです。

捨てる神あれば拾う神あり。今回の尾道の事例を読んでいて、この言葉が思い浮かびました(少々言葉の持つ意味とは異なるかもしれませんが)。空き家が生まれたことを悲観するのではなく、その現状を上手に利用する移住者たちの姿にたくましさを感じた事例でした。

この記事を書いた人
relax-man 空き家LOVEなフリーライター 「空き家」って、コトバの響きからして何だか素敵じゃありませんか? あきや・アキヤ・AKIYA・秋谷…って、あれ? 何か違う?! そのような訳で、空き家問題にはコトバの響きから興味を持ったという、茨城在住のフリーライターrelax-manです。 主な執筆分野は、山(低山)と農業。 今後は、空き家問題を右斜め45度の視点で(?)書いていきます! :Facebook :Twitter http://relax0906.wix.com/farmers-story
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